遺産分割協議
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相続人全員が遺産をどのように分配するかを話し合うことを遺産分割協議といいます。
分割協議がまとまれば、相続人全員の物であった遺産が、 相続人ひとりひとりの個人所有物になります。
相続人の確定及び遺産(相続財産のすべて)の調査ができた上で、遺産分割協議の内容を記載した正式な文書が、 遺産分割協議書となります。
ただ、民法では遺言書がなかった場合のことを想定し、各相続人の遺産割合「法定相続分」を定めていますが、この法定相続分以外の相続分を別に定めることも出来、また金銭だけの遺産であれば法定相続分の割合で遺産分割することが簡単ですが、実際には、不動産などの遺産が含まれている場合がほとんどで、結局は遺産分割協議によって、法定相続分に近い内容にすることが必要になってくるのです。
【遺産分割協議を行う際の注意点】
- 原則として相続人が全員参加すること(電話などでの参加も有効)。
- 有効な遺言書がある場合は、原則としてその遺言書の内容に従う。
- 相続人の中に未成年の子供がいる場合は、家庭裁判所に申し立てて特別代理人を選任しなければならない
(親と子どちらともが相続人の場合は、親と子の利益が相反するため、親は特別代理人になれない)。 - 相続開始時に胎児がいる場合は、生まれてから遺産分割を行わなければならない
(死亡して生まれてくる可能性もあり、そうなれば相続人、相続分が変わるため)。 - 成年被後見人が相続人の場合は、後見人が代理人として参加し、相続手続きを行う。
- 行方不明の相続人がいる場合は、「失踪の宣告(生死が7年間分からない時)」、または「財産管理人」の選任をしてもらわなければならない。
- 死亡保険金、死亡退職金で受取人が指定されている場合は、遺産分割の対象にはならない
(受取人が合意している場合はこの限りではない)。 - 有効な遺言書があった場合でも、「相続人全員が遺言書の内容と異なる遺産分割を合意」した場合には、遺言書と異なる遺産分割をすることも可能。
- 葬儀、財産調査などで精力的に動いてくれた方にはそれなりの配慮が必要。
- 遺産分割協議がまとまらなかった場合でも、申告期限までに相続税の申告と納付を行わなければならない。
- 行政書士(遺産分割協議書の作成など)、税理士(相続税軽減のため)などに相談することも必要。
遺産分割協議書
遺産分割協議の内容について、相続人全員の合意が書面にまとめたられたもののことを遺産分割協議書といい、遺産相続に伴う様々な手続きに必要となります。
遺産分割協議書は、後々の争いを未然に防ぐために必ず相続人全員が合意して作成しなくてはならず、相続人全員の署名押印をした上で必要な枚数を作成することになります。
【遺産分割協議書を作成する際の注意点】
遺産分割協議書の作成は、特に決まった形式はありませんが、遺産分割を行ったことを明確にしておくようにしなければなりません。
- 遺産分割協議書であることを明確にする。
- 相続人を明確にする。
- 被相続人の名前、死亡日を記載する。
- 各相続人がどの財産をどれだけ相続するかを明確に記載する。
- 遺産分割協議後に新たな遺産が出てきた場合のために、遺産分割協議をした日時を必ず記載し、新たな遺産が出てきた場合は、その遺産について再び協議する旨を記載しておく。
- 相続人全員の署名押印(実印)をし、各自1通ずつ保管する。
- 遺産分割協議書が複数枚あるため割印(契印)が必要な場合は、相続人全員が割印をする。
- 不動産は登記簿謄本にある記載をそのまま転記する。